COEプログラム概要

 電気系21世紀COEプログラム「新世代情報エレクトロニクスシステムの構築」は文部科学省21世紀COEプログラム情報・電気・電子分野に採録されました.電気系COEの研究組織は 2000年度から教育研究COEに選定されている電子工学専攻を中核としてこれと密接に関連する電気・通信工学専攻電気通信研究所及び未来科学技術共同研究センターを加えてこれらの組織から21名(うち10名がコアメンバーとして審査対象とされた)が事業分担者として登録されています.

 本拠点は東北大学電気系の歴史的経過・成果を踏襲した上でNT・IT研究を融合することにより材料・プロセス・評価等の基礎研究を最先端のデバイス・システム応用研究に活用し国際競争力強化に直結する独創的科学技術の創出を目指すものです.これによって今後10年間の国際的主戦場となる新世代ネットワーク情報家電や移動体通信分野等の主導的役割を果たすとともに 10年以上先の次世代情報エレクトロニクスシステムの基礎確立を図っていきます.

 研究の実施計画としてはグローバルネットワーク対応のNT・IT融合フロンティアエレクトロニクスシステムを構築すべくNT・IT融合研究教育センターを設立し縦横の繋がりを強化していきます.

研究内容

 次のような3つのグループで分担し,これらを拠点リーダーが統括していきます.

Aグループ:基礎研究・支援研究
       (グループリーダー:畠山力三教授)
プラズマを用いた物質・材料プロセスの超高精度な制御による次世代ナノデバイスの開発高機能デバイス作製プロセスの評価電荷のみならず電子のスピンをも使う新概念の半導体エレクトロニクス分野の開拓など新しい物理材料プロセス評価・分担を担当しています.

Bグループ:4大キーデバイス開発研究
       (グループリーダー:高橋研教授)

  1. 超高集積超高性能超低電力の半導体デバイスを実現するための材料・プロセス・デバイス・回路・システムの研究
  2. ナノ磁性微粒子の化学的合成法と微粒子分散配列化学技術の開発による超高精度・大容量の磁気ストレージデバイスの研究
  3. 未踏破領域テラヘルツ波の超広帯域周波数可変光源を用いた大容量・高速光デバイスの創出など光デバイスの研究
  4. ナノオーダーの表面配解析や制御技術高度な偏光制御理論等を駆使した超低電力超高精細ディスプレイの研究
の4つを中心として担当しています.

Cグループ:コンピューティング・トランスポートシステム研究
       (グループリーダー:安達文幸教授)
進化論的適応信号処理法を用いた高速大容量コンピューティングアルゴリズムとその高速高配列VLSIアークテクチャの開発伝搬環境に応じた適応トランスポート技術や自律的ネットワーク構築型アドホックワイヤレスネットワーク技術の開発による超高速な新世代ワイヤレスネットワークの構築光時分割多重による次世代光トランスポートシステムの構築フェムト秒領域の超短パルスを用いて超高速・高瞬時光信号処理を可能にする光通信の研究などを担当しています.

教育内容

  電気通信研究所及び未来科学共同研究センターの教官と一体となって国際社会への還元並びに挑戦的で学際的な研究課題に先導的に取り組む強い精神力と能力を有する創造性豊かなエリート人材の育成を行うことを目指しています.そのために

(1) 専門領域にとらわれず周辺領域への関心を深め広い視野で見渡す力量
(2) 国際的舞台で単独で活躍できる語学力を含む力量とアグレッシブな精神力
(3) 東北大学の伝統である常に基礎に戻る実学と新産業創出の意識

の育成を目指した教育を計画しています.具体的には「QIスクール」(学際・国際・産学交流道場 School of Interdisciplinary International Industry-academic Interchanges: Quadruple I)を創出し基礎科学実用化技術国際社会還元の相互関係の重要性を実践的に体得できるように計画しています.そのために川又政征教授をQIスクール統括者として次のようなプログラムの実施を進めています.

  • 博士後期課程に外国人研究者による実践的「講義・演習」「実験・研究指導」「講演・論文作成指導」「特定課題討議指導」等のコースを設けています.
  • 国内外から博士後期課程早期修了候補学生を選抜しランキング研究支援金を給付します.
  • QIスクール主催ミニ国際会議を定期的に開催し英語での発表討議能力を養成すると共に一流外国人研究者による学際的な招待チュートリアル講演を行います.
  • 早期課程修了を奨励・促進しスーパーインターンシップ制度として産業界独立法人研究所海外研究機関等へ派遣して武者修行(Errantry)的なトレーニング「エラントリ教育」を実施します.またこの制度は助手等の教官にも発展的に適用し若手研究者が独立してその能力を十分に発揮できる機会を与えて次世代の科学技術分野を開拓する意欲を育成します.
  • 未来科学技術共同研究センターでの武者修行及び技術社会システム専攻等における実践・先端的教育を実施します.
  • リーダーシップ発揮の世界的研究者への登竜門とすべくポストドクターを採用し一流研究者等との国際共同研究を行います.

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