研究室公開

OPEN LABORATORY

物理で切り拓く先端材料

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電子が回るナノ舞台 ~モノづくり最前線

磁気情報を体感してみよう!

齊藤(伸)・角田研究室

EXHIBIT

オープンキャンパスでの展示

手作り磁気ヘッドを使った磁気情報書き込みと電磁石を用いた書き込み磁界の強さの体験

ビックデータを取り扱う電子情報機器では、ナノサイズの高性能微小磁石が使われています。本展示では、非常に小さな構造の観察や、ナノ磁石を用いた磁性流体の特性ついて実際に触れて体験頂きます。 最新のレーザー変位光学顕微鏡も用意しており、DVDのディスクや500円硬貨に隠された目に見えないほど小さな構造の観察も体験頂けます。

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ナノ加工可能な最先端の電子顕微鏡

斉藤・角田研究室ではナノサイズ (1ミリメートルの百万分の一) の磁性結晶粒の制御・作製を行っており,二次電子顕微鏡 (写真左) ではその作製したナノサイズ磁性体 (写真右上) の観察が行えます.通常の光学顕微鏡では光の波長による制限のため空間分解能は数百ナノメートル程度です.一方,二次電子顕微鏡では電子を使用するため,空間分解能は概ね10倍以上向上します.同装置は収束イオンビーム照射の機能も備えており,微細な構造を作製するためのマスクとしてタングステンなどのナのピラー (写真右下) を作製することも可能です.

ナノ磁石を用いた磁性流体

磁性流体はナノサイズの磁石を水や油に混ぜた溶液で,磁界によって引きつけられる磁石の性質と水のように流れる液体の性質とを兼ね備えています. 磁力の無い環境では黒い液体のような見た目をしていますが,磁石を近づけると,磁石から放射状に出ている磁力線に引きつけられ,とげ状の突起を形成します (写真).
ゴムのように摩耗せず磁石で同じ箇所に留められる性質により,溶媒の粘性を上げ回転を伴う部分の真空シールにする,研磨剤を混ぜ摩耗しないレンズ磨きに使用する,等に利用されています.

実験風景 -究極のモノづくりに挑戦-

ごみの入らないクリーンな環境でハードディスク用の磁性薄膜やアンテナ用の磁性ナノ粒子の作製を行っています。
ハードディスクの磁気情報読み取り部分では,情報の記録されているディスクに対して読み書き用のヘッド素子を数nm (煙草の煙に含まれる1粒子の直径よりも短い長さ) まで近づけて記録再生を行っており,そのため素子は数ミクロンのほこりが1つ混入しただけで確実に素子が破損してしまうほどデリケートです. それら素子を作製するクリーンルーム (写真左側) では気圧調整やフィルターユニットにより極力ほこりの内環境が保たれています. アンテナ用の磁性ナノ粒子は主に鉄を原料としており,通常の空気中で実験を行うと激しく酸化してしまい所望の磁石が得られません.そのため,不活性なアルゴンガスと空気とを入れ替えた容器 (グローブボックス,写真右側) の中で合成を行います.