研究室公開

OPEN LABORATORY

医工学・ヘルスケア

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ヒトゲノムで健康になろう

あなたはお酒に強い遺伝子?弱い遺伝子?

木下(賢)・大林研究室

EXHIBIT

オープンキャンパスでの展示

ゲノム配列をアルコールパッチテストで推定しよう!

30億塩基のDNA配列からなる人のゲノムは,個人の間では300万カ所も異なっており,個人がどのような体質を持つかを決定しています.現在,個人ゲノムの解読コストは簡易解読で1万円,詳細解読でも30万円ほどであり,この個人のゲノム配列を正しく理解し利用していくことが喫緊の課題です.本展示ではアルコールパッチテストと行うことで,ゲノム配列の一部を予測してみます.また,ゲノムをどのように理解して薬の設計や予防医療に繋げるか,その技術開発のポイントを分かりやすく解説します.

遺伝子型の地域性

お酒を分解する酵素,ALDH2には2つのタイプがあります.古くからあるALDH2-1と,1万年くらい前に出現したALDH2-2です.ALDH2-2は中国から朝鮮半島を経由して日本に来たので,西日本の人はALDH2-2を持つ人の割合が多いのです.

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個人ゲノム解析ソフトの開発

現在,個人ゲノムの解読コストは簡易解読で1万円,詳細解読でも30万円ほどであり,一般市民もゲノム情報を入手できるようになりました.この個人のゲノム配列を正しく理解し利用していくことが個人の健康,社会福祉,また医療費削減の観点から注目されています.しかし30億塩基からなる長大なヒトゲノムを正しく理解するのは容易なことではなく,民間のゲノム解析サービスによって異なる結果が出てくることも少なくありません.
そこで遺伝子型と表現型の最新の知見が収められているデータベース(GWASカタログ)の情報を利用して,ゲノム情報に注釈をつけるソフトウェアPerGENIEの開発を行っています.PerGENIEの結果は全て論文と関連付けられているため,なぜこの注釈が付いたのかを検証することが可能になります.

生命情報ビッグデータの活用

私たちの研究室では、ゲノムの配列情報に代表される「生命情報」を情報科学的に扱い、生命システムの理解を目指しています。 従来の生物学は個別の議論を蓄積し、どんどん教科書を分厚くする枚挙の学問でした。 もちろん個別論を見る楽しさは生物学の醍醐味ですが、生命情報ビックバンとも言える急激な生命情報の増加により、 生物学は大きく様変わりつつあります。 データが増えることはもちろん良い事ですが、データが増えれば増えるほどその処理は大変になってきます。 特に、せっかく情報が増えてもちゃんと処理しないと貴重な情報を失いかねません。 我々は生命情報ビックバンの時代における新しい情報生物学を目指して、 生命情報を上手に解析するアルゴリズムの研究開発を行っています。

タンパク質の機能シミュレーションに基づく創薬開発

薬はタンパク質に結合し,その働きを弱めることによって機能します.そのため薬の開発には,タンパク質の形,仕組みを理解することが必要になります.近年,タンパク質の立体構造が多く解明されていますが,それらは結晶化した構造で動かしてみることができません.そこで,コンピュータを用いたシミュレーションをし,タンパク質がどのように働くのかを調べます.この図はイオンを通すタンパク質(イオンチャネル)のシミュレーションで,中央の穴をカリウムイオンが通っていく様子がわかります.