東北大学工学部電気情報物理工学科

Department of Information and Intelligent Systems

情報知能システム総合学科から2015年4月に名称変更

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「光技術 革新と進化がもたらす社会」(1月31日開催)レポート

 本日1月31日(土)17時から東北大学百周年記念会館 川内萩ホールで、東北大学及び河北新報社が主催する『東北みらいプロジェクトレクチャーシリーズ』の「光技術 革新と進化がもたらす社会」が開催されました。
『光通信が実用化されて半世紀。光ファイバー、半導体レーザー、発光ダイオード等、東北大学は、その根幹を成す革新的技術を世界に送り出してきました。高速大容量通信の進化はとどまることを知らず、今日の高度なIT社会を支えています。本レクチャーシリーズでは、青色発光ダイオード(LED)の発明で、2014年ノーベル物理学賞を受賞したカリフォルニア大学サンタバーバラ校教授の中村修二氏を招き、最先端の光技術と、その技術によってもたらされる未来社会を展望します。 』というのがイベントの趣旨。プログラム等の詳細は、東北大学ホームページをご参照ください。

 当日の詳細は、河北新報の2月15日朝刊に特集紙面が組まれるほか、「宮城の新聞」にも1週間のうちには記事がアップされるとのことですのでそれらにお任せするとして、このコラムでは会場の雰囲気と、最後に行われた「高校生からの質問タイム」での中村教授、秩父教授からの回答を紹介したいと思います。

  ※2015.2.5追記

      講演の詳細が「宮城の新聞」のWebページにアップされました。ぜひご覧ください。



◯イントロダクション 「光を放つ半導体」
  東北大学多元物質科学研究所教授 秩父重英

  このあとの中沢教授、中村教授のレクチャーを理解しやすいように、両先生の研究の内容や意義・重要性等を軽妙な語り口でわかりやすくお話しいただきました。秩父教授と中沢教授(及び講演の中でお名前が出てきた西沢潤一名誉教授や松岡隆志教授も)は本学科の学生を指導いただいていることから、高校生への入口となる本学科名(工学部電気情報物理工学科)もアピールしていただきました(ありがとうございました!)。

秩父教授によるイントロダクション


◯東北大学講演「光通信技術はどこまで進化するのか」
  東北大学電気通信研究機構長、東北大学電気通信研究所教授 中沢正隆

 インターネットや電話になくてはならない技術であり、(冒頭の主催者挨拶をされた河北新報社の中山常務によれば)"「発祥の地」として仙台が誇るべき聖地"である『光通信』技術について、その最前線と将来展望をお話しいただきました。将来の話として語っていただいた中の「光の速度は制御できないが、最先端の研究者は光の速度を制御することに挑戦している」というフレーズには刺激を受けた高校生もいるのでは?

中沢教授による講演


◯特別講演 「窒化インジウムガリウム青色LEDと紫色半導体レーザー」
  2014年ノーベル物理学賞受賞
  カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)教授 中村修二 氏

  テレビ等で見聞きしている「中村節」を十分堪能させていただいた講演でした。研究内容についての説明資料(英語)は、たぶんノーベル賞の受賞講演の時に使われたスライドだと思いますので、ご興味のある方はノーベル財団のページをご覧になるとよいと思います。  
  高校生へのメッセージとして「(全部の科目でよい成績を目指すのではなく)好きな科目を見つけてそれに向かって勉強して欲しい」「これからはグローバリゼーションの時代であり、欧米ではドクター(博士号)を持っていないと研究者として評価されないので、若い人はぜひドクター目指して勉強してください。」とのことでした。

中村教授による講演
会場風景


◯高校生からの質問タイム
  講演に続いて、司会者が高校生及び小中大学生から寄せられた質問を紹介し、中村教授及び秩父教授が回答する形で質問タイムが持たれました。ちょっと長くなりますが、以下にご紹介します(注記がない回答は中村教授からの回答)。


Q.光の面白さは?
A.色の世界であること。"色とりどり"でおもしろい。

Q.LEDの今後の可能性は?
A.LEDはまだ値段が高い。講演の中でも触れたように、あと何年かすると照明はLEDからレーザーに代わられるだろう。LEDやレーザーは照明以外に通信にも活用できるが、レーザーだと高速通信が可能となるので、通信の観点からもレーザーが優位となるだろう。

Q.(小学生から)ディズニーランドのエレクトリカルパレードのLEDはどう思うか?
A.きれいで美しい

Q.(小学生から)子ども頃にしていた勉強や子どもの頃の夢は?
A.算数、理科と図工が好きだった。文系科目は嫌いで、特に歴史は大嫌いだった。
中学高校はバレー部に入っていたが、負け続けており苦労した。「あれ以上の苦労はない」と思うので、この時の経験が自信になっている。

Q.(大学生から)科学者にとって必要な素質は?
A.人それぞれだろうが、一番大事なのは探究心。
自分は小さい時から解くことが好きだった。読むことはは大嫌いで、読むのではなく考えるのが好きだった。

Q.(研究者志望の大学生から)外国で研究することは必要か?
A.若い人はみんな海外に出て欲しい。ぜひ若い人は海外に行って、英語を勉強して、海外から日本をみて欲しい。1年間でも、海外に行ったことがないよりは全然良い。できたら4?5年は行くとよい。

Q.研究成果のアピール能力を磨くために心がけていることは?
A.自分は全部自己流。
 (秩父教授から)卑下せず、うぬぼれないこと。海外では言わないと相手にされない。その意味では、海外に1年間行くだけで変わる。

Q.(大学4年生から)研究生活の中で一番楽しい瞬間は?
A.謎解きができた時が楽しい。

Q.日々の研究の中でこれだけは譲れないことは?
A.研究者は研究成果は論文(と特許)にしているので、(研究者や研究成果を評価する場合は)論文をちゃんと読んだ上で評価して欲しい。
 (秩父教授から)正しいと思ったら、できないと思わないで、証明できるまで頑張ること。

Q.(大学生から)埋もれている技術をどうすれば世の中に出していけるか?
A.サイエンスなら学会で発表すること。ビジネスにしようとしたら、アメリカならベンチャーキャピタルにプレゼンすること。

Q.(大学生から)4日後に修士論文の審査会を控えているのだが、アドバイスと激励を。
A.大きい声ではっきり自信を持って。自分の知らないことを知ったふりしない。自分の知っていることをはっきり言う。

Q.(小学生から)好きな食べ物は?
A.日本に戻ってきたら食べるのは、ラーメンとうどん。

 質問タイムの最後に、中村教授から東北へのメッセージをいただきました。
 『自分の研究パターンは、最初1-2年研究をし、成果がうまく出ないでどん底へ行き、そこで立ち上がって4-5年で製品化につなげていく、というもの。みなさんも、東日本大震災で味わった苦労をエネルギー源にして、いい考えや発明が出るように頑張って欲しい。』
 

質問タイム

 最後に秩父教授、中沢教授、中村教授と本日の参加者での記念撮影が行われました。

記念撮影


 
 【おまけ】
昨日の降雪を受けて、雪景色の中での開催となりました。会場になった「萩ホール」と近くにある「仙台城大手門脇櫓」も雪化粧。

萩ホール
仙台城大手門櫓櫓