東北大学工学部電気情報物理工学科

Department of Electrical, Information and Physics Engineering

情報知能システム総合学科から2015年4月に名称変更

  • 電気工学
  • 通信工学
  • 電子工学
  • 応用物理学
  • 情報工学
  • バイオ・医工学

高校生・受験生のための研究紹介
人と未来をつなぐ[電気・情報・応用物理]の魅力

My Way, My Dream 10

体にやさしい医療を縁の下で支える
工学+バイオの新時代エレクトロニクス

学問の融合から生まれた技術で
医療現場のさまざまなニーズに応える

体にやさしい医療を縁の下で支える工学+バイオの新時代エレクトロニクス

近年、薬によって重い副作用を起こす「イオンチャネル」というタンパク質が人の体内に見つかり、それ以来すべての新薬にイオンチャネルへの副作用測定が必須となりました。ところがその測定法はあまりに複雑で、新薬の開発が長期間かかってしまう原因の一つになっています。そこで私たちは、人工の細胞膜にイオンチャネルを埋め込んだ“バイオセンサ”をつくり、簡易で効率的な薬物副作用測定法の開発に取り組んでいます。

電気工学を専門とする学科でバイオというと、いまひとつ結びつかない人もいるかもしれません。けれども、半導体の微細加工技術を使えば4~5ナノメートルのごく薄い細胞膜を安定につくることができ、電流測定の技術を使えば薬物の効果を測ることができます。私たちの研究のベースはエレクトロニクスそのものなのです。この測定法が確立すれば、安全な薬を早く世に送り出すことができ、開発コストが下がり薬の値段も安くなると期待しています。今はまだ実験段階で、精度の向上などいくつかの課題がありますが、新薬を必要とする人の役に立てるよう努力しているところです。

平野 愛弓 准教授
平野 愛弓 准教授

このように、工学とバイオを融合して医療分野へ応用することも、東北大学が全国の大学に先駆けて取り組んできた「医工学」研究の1つの大きな領域です。今後ますます期待されるこの分野では、半導体をはじめ電気工学・電子工学に関連した知識と技術が大きな強みになります。最先端の研究にふさわしい恵まれた研究環境も東北大学ならでは。私たちもトップレベルの実験施設をフル活用し、充実した研究活動を行っています。

現在は工学の技術をバイオに生かす研究をメインにしていますが、将来的にはバイオの技術をものづくりに生かす研究にも挑戦したいですね。例えば、タンパク質や溶液など、人間を構成する素材でつくったパソコンはどうでしょう。まるでSF映画のように、パソコンがひらめいてしまう日が来るかもしれません。

工学部の女子学生の割合はまだ少ないですが、女性でも安心して勉強や研究に取り組めるように環境も整備されてきています。ですので、性別にかかわりなく、まっすぐに興味ある分野に進んでほしいと思います。魅力的な研究との出会いが、あなたの可能性をぐんと広げてくれるはずです。

(2014年6月取材)

体にやさしい医療を縁の下で支える工学+バイオの新時代エレクトロニクス

Profile

平野 愛弓 教授

平野 愛弓 教授(Ayumi Hirano-Iwata)

理学部時代からセンサ研究に取り組む。
東北大学着任後、半導体シリコンチップの加工技術に出会い、丈夫で安定した細胞膜組織の人工的作製に成功。

専門はナノバイオ医工学、人工細胞膜センサ、バイオセンサ、バイオチップ。
女子学院高等学校卒業。1993年3月東京大学理学部卒業、1998年3月東京大学理学系研究科化学専攻修了。博士(理学)。日本大学文理学部、英国国立医学研究所などを経て、2006年10月に東北大学電気通信研究所助手、2008年4月に東北大学大学院医工学研究科准教授。2016年10月に東北大学原子分子材料科学高等研究機構教授・東北大学電気通信研究所教授。日本分析化学会奨励賞などを受賞。

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