東北大学工学部電気情報物理工学科

Department of Electrical, Information and Physics Engineering

情報知能システム総合学科から2015年4月に名称変更

  • 電気工学
  • 通信工学
  • 電子工学
  • 応用物理学
  • 情報工学
  • バイオ・医工学

高校生・受験生のための研究紹介
人と未来をつなぐ[電気・情報・応用物理]の魅力

学生が聞いた先生たちの研究

未来情報社会に求められる人に優しい知能システムを目指して

数学を使って人工知能研究のコア技術を追求する

未来情報社会に求められる人に優しい知能システムを目指して
―先生の研究内容を教えてください。

人工知能とそのコア技術である「文字列処理」「データ圧縮」についての研究をベースに、「機械学習」、さらに最近では「ゲームAI」といった分野に取り組んでいます。「文字列処理」では、コンピュータで処理する上では『万物は文字列である』という観点に立ち、文字列を高速かつ省領域で効率よく処理することを目標としています。

―「人工知能」はよく聞く言葉ですが、どのようなところに応用されているのでしょうか。

皆さんに身近なところで言うと、通販サイトで、おすすめの商品を提示されたことはありませんか。この「おすすめ商品」は、皆さんがこれまでに買ったものや商品カタログの閲覧履歴を、他の多くのユーザの購買記録等と照らし合わせることによって、さらに興味を持ちそうなものとして選び出されています。つまり、コンピュータが皆さんの嗜好を学習しているとも言えるでしょう。これは人工知能研究の中の「機械学習」の1つの応用例です。

篠原 歩 教授
篠原 歩 教授
―最近先生が力を入れられているという「ゲームAI」とはどのようなものでしょうか。

ゲームAIという分野は人工知能研究の中でも最近伸びている分野の1つで、学術的な研究会やコンテストも活発化しています。現在はオセロや将棋、パズル、カードゲームなどが主な研究対象となっていますが、やがては格闘ビデオゲームなどにも応用していきたいですね。ゲームに勝つためには、ルールを理解し、高得点を取るためのコツを身につけ、その時々の状況に適した行動を限られた時間内に決めていかなければなりません。我々は、経験の蓄積を「データ圧縮」とみなし、コツの修得に「機械学習」の研究が、また処理の高速化に「アルゴリズム」や実装技術の開発が有用であると考えています。うまい解法がなかなか見つからないときに、やみくもにプログラムを書いて動かそうとするのではなく、数学的な論証による「計算量理論」に基づいて、その問題の本質的な難しさを解明することも大切です。このような総合力が求められるところがこの研究の難しさであり、また魅力でもあります。

―先生の将来の夢を教えてください。

コンピュータによって、我々の暮らしはとても便利で豊かになっています。バーコードレジによって簡単に買い物ができ、カーナビによって車の運転者は紙の地図をめくらなくても運転に専念して目的地に着けるようになりました。決して技術が万能であるとは思っていませんが、コンピュータにできることはコンピュータに任せて、人間は、人間でなければできないこと、人間ならばもっとうまく楽しくやれそうなことにより大きな力を注ぐことができる未来を実現していきたいと思っています。

未来情報社会に求められる人に優しい知能システムを目指して

真面目に遊ぶ研究室

先生の研究室は、ソフトウエアの優秀さで競うETロボコンという大会で毎年高成績を残されていたり、文字列の繰り返し構造の1つである“連”というもので世界最先端の研究をされていたりと多くの実績を残されている研究室です。先生の授業は非常に面白くわかりやすいのでこのような実績を残されていることにも納得です。先生自身が理学部数学科のご出身ということで、数学的に理論や証明を突き詰めたうえで、面白いもの、楽しいものを作っているそうです。工学部を目指している皆さんはもちろん、理学部で迷っている高校生の方も、一度検討してみてはいかがでしょうか。

(3年 野々村萌[岩手県立盛岡第三高等学校卒業]:2014年10月取材)

今回お話をお聞きした先生は

篠原 歩 教授

篠原 歩 教授(Ayumi Shinohara)

専門は機械学習、文字列処理、データ圧縮、アルゴリズムと計算量。
福岡県立京都高等学校卒業。1988 年3月九州大学理学部数学科卒業、1990 年3月九州大学大学院総合理工学研究科情報システム学専攻修士課程修了、1994年6月博士(理学)。九州大学理学部附属基礎情報学研究施設助手、同助教授、九州大学大学院システム情報科学研究科助教授を経て、2005年3月東北大学大学院情報科学研究科教授。
2001年情報処理学会創立40周年記念論文賞などを受賞。著書に『人工知能学事典』(分担、共立出版、2005年)など。

学生による研究室の紹介

研究室Web