遠藤研究室
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パワーエレクトロニクス分野

限られたエネルギーを有効に活用するためには、石油やガスなどの一次エネルギーから生み出されるエネルギーの利用効率を向上し、地球温暖化問題に伴うCO2排出量を削減する必要があります。これを実現するためには、可能な限りエネルギーの最終利用形態を電力にしていくことが不可欠と考えられています。このことは、ガス調理器がIH調理器に、ガソリン自動車が電気自動車やハイブリッド自動車にシフトしていっていることからも分かります。従って、電力利用の高効率化技術は、今後の省エネ社会にとって必要不可欠となります。その中でも、世界の電力需要におけるIT機器の占める割合は急拡大しており、IT機器の省エネ化は緊急の課題です。IT機器では、半導体プロセッサやディスプレイ等のため、家庭用の100Vの電気エネルギーを数Vから十数Vの種々の電圧に変換して供給していますが、その過程の電力ロスが深刻な課題となっています。遠藤研究室では、コンセントから供給された100V~200Vの電気エネルギーを、様々な電圧にいかに高効率で変換し、賢く使用するかを追求しています。


低損失な高効率GaN・Siハイブリッドパワーデバイスに関する研究
 -低損失な高効率GaN-on-Siによるハイブリッドパワーデバイスの研究

高効率な電力変換と安定した電力供給のため, ワイドバンドギャップ材料による省エネ半導体デバイスを研究しています. 加えて, 豊富な設計資産があるSiパワーデバイスと, 低損失なGaNパワーデバイスを融合した新しいハイブリッドパワー集積デバイスを研究しています.
 この研究を, 次世代自動車(HV, EV)のモータを駆動するパワーコントロールユニット(PCU)へ応用することで, 回路を高効率化, 小型化し, 燃費向上が期待できます.

画像:GaN-on-Siデバイス

GaN-on-Siデバイス



知的パワーマネージメントを実現する高効率電力供給回路・システム
 に関する研究
- GaNパワーデバイスに基づいた高効率でコンパクトな電力変換システムの研究

更なる省エネルギーの実現のために,GaNハイブリッドパワーデバイスを導入し,その特性を生かした適切な電力を供給する新しいパワーマネジメントと変換制御回路システムを研究しています.
 この研究は様々な電力変換機器での応用に加え, 電気自動車や新幹線などの電力制御機器での応用や,色々な電力供給機器での応用も期待されています.

画像:モータ駆動のためのインバータ・制御ボード

モータ駆動のためのインバータ・制御ボード