プロジェクトの構成とテーマ (Bグループ)

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Bグループ

【達成目標】:現在のネットワーク構成を根本から変えるような光・無線技術と自律分散無線ネットワーク技術、それらをささえる超高速光・無線信号処理技術、光コヒーレント技術、ならびにセキュアネットワークアーキテクチャと通信プロトコルを開発することである。光伝送速度としてはTDM/WDM方式で1〜10 Tbps、移動無線伝送ではスループット100 M〜1 Gbpsをねらう。
【安達 文幸教授】 大学院工学研究科電気・通信工学専攻
研究課題 超高速無線信号処理と分散無線ネットワークの研究
研究目的 次世代の無線通信ネットワークでは、いつでもどこでも、高精細画像を見ながらの音声会話と共に画像を含む大量の情報をネットワークからダウンロードする通信サービスの提供が求められる。これを達成するには、100M〜1Gビット/秒クラスの超高速な無線通信技術の実現が重要である。しかし、超高速無線チャネルは伝達関数が周波数領域で激しく変動する強い周波数選択性を有すること、送信電力が通信速度に比例して増加すること、そして利用できる無線帯域幅が限られていること、から様々な技術課題がある。そこで、@無線チャネルの強い周波数選択性を克服する多次元無線信号処理(分散アンテナ、周波数領域等化,ダイバーシチ、適応アンテナアレー、符号化)技術、A送信電力の画期的な低減を可能とするバーチャルセルラ無線ネットワーク(マルチホップ、経路構築,自律分散チャネル割り当て)、B同一周波数を空間的に繰り返し利用する技術(動的チャネル割り当て,分散ネットワークダイバーシチ)、に関する研究を行う。
【羽生 貴弘教授】 電気通信研究所
研究課題 マルチメディア応用高性能VLSIプロセッサ実現の基盤技術
研究目的 VLSIチップ内通信ボトルネックを本質的に解決できる全く新しい視点からの回路・システムアーキテクチャが次世代VLSIの設計・試作に必要不可欠である。本研究では、記憶機能と演算機能を一体化するロジックインメモリ構造に基づき、転送ボトルネックを極限まで減少させる回路および高速データ転送用通信方式の基盤技術について研究を行う。具体的には、不揮発性メモリデバイス等を活用し、記憶と演算機能を一体化した多機能回路ブロックの考案と共に、多値符号化と多値回路技術を融合させた高速非同期データ転送技術の基盤技術に関する研究を行う。
【川又 政征教授】 大学院工学研究科電子工学専攻
研究課題 超高速・高精度ディジタル信号処理アルゴリズムとシステム
研究目的 19世紀末のエディソンによる映画の発明以来、多くのフィルム映像が残されている。これらの文化的資産である古いフィルム映像をディジタルアーカイブとして保存するために、映像の修復が現在急務となっている。従来のフィルム映像の計算機による修復は、娯楽的・芸術的なもので商業的にペイする映画に対して、多くの人手作業と十分な時間、高い計算機コストをかけて行われてきた。一方において、過去の記録映画やニュースフィルム映像などは、歴史的・資料的な価値がきわめて高いが、商業的にペイしないため、修復・保存のために十分な時間とコストをかけられないのが現状である。本研究では、対象として劣化が大きく非商業的な記録フィルム映像に着目し、方法としてディジタル信号処理の技術をもちいることで、高精度かつ実時間の修復アルゴリズムとシステムを開発することを目的としている。
【中沢 正隆教授】 電気通信研究所
研究課題 超高速OTDM伝送と光の位相を利用した多値伝送の融合
研究目的 超高精細画像の伝送や100 Gbit/s イーサネットの構築のためには高速な光伝送システムの構築が重要である。また、一方で周波数の帯域は無限ではなく効率の良い光通信方式の開発が望まれている。そこで本研究では、超短パルスレーザを駆使して光時分割多重方式(OTDM: Optical Time Division Multiplexing)により簡便な構成で1 Tbit/s以上の伝送技術を構築するとともに、光コヒーレントQAM(Quadrature Amplitude Modulation)多値伝送により周波数利用効率の大幅な向上を目指す。最終的にはOTDMとQAMを融合させた究極的な光伝送技術を構築する。
【澤谷 邦男教授】 大学院工学研究科電気・通信工学専攻
研究課題 高速無線通信用多機能アンテナ
研究目的 高速・広帯域の次世代無線通信を実現するために、高効率なアンテナ素子」、アダプティブアレーアンテナ、屋内伝搬環境におけるマルチパスを抑制する技術、周波数利用効率を高めるマルチアンテナ技術などの研究課題において学術研究を深めると共に、最先端の研究成果を実用化することを目的とする。また、アダプティブアンテナの放射特性を高速に測定する電磁界測定装置を開発する。
【加藤 寧教授】 情報科学研究科
研究課題 快適な次世代情報ネットワークシステムの実現
研究目的 インターネットが爆発的に普及し、情報通信ネットワークが人々の生活に深く浸透するにつれ、ネットワークの利便性の向上が求められている。とりわけ、インフラの効率的利用、セキュリティの確保、高機能アプリケーションの開発が急務である。本研究では、これらの技術的課題に対しネットワークレベルからアプローチを試み、効率性やセキュリティ面に優れた新しいネットワークプロトコルを開発し、次世代情報ネットワークシステムの構築を目指す。さらに、このネットワークシステムに立脚した新しい高機能ネットワークアプリケーションの開発を目指す。