移動体(自家用車・バス・電動車椅子等)非接触給電システムの開発

ここ数年の地球温暖化,大気汚染といった環境問題への意識の高まりによって,電動車両が社会に普及しつつあります.これらの電動車両において高効率で,漏電危険性が低く,水中でも使用可能な技術として2つのコイルを用いた非接触電力伝送技術が注目を集めています.非接触式の給電装置はその構造上絶縁性が高く,漏電の危険性が低いため風雨にさらされる屋外や薬品を使用する工場内での使用にも適しています.こうした形式を採用することで車両に搭載する充電池や充電用キャパシタの容量を小さなものにすることが可能となり,これによって車両の軽量化,積載スペースの拡大を期待できます.

Fig.1 本研究のメリットと伝送の概要

現在,当研究室では小型の医療用の電動車椅子から大型の電気自動車まで幅広い規模での移動体を想定し,研究を行っております.
停車中における給電についてはバスなどで実用化が進んでいますが,移動中での非接触給電はそれほど進展しておりません.従って,送電コイルの形状を変えるなど様々な工夫をして,移動中でも高効率で給電できるよう研究を行っています.

この他にも磁気結合を用いて,車載バッテリーの残量や充電電圧・電流の制御情報などの信号を伝送する双方向通信システムという分野も研究しております.

Fig.2 応用例