溶液中放電・プラズマプロセスによる新規ナノ物質創製

 

カーボンナノチューブ(CNTs)は優れた機械的特性及び特異な電子物性から多岐にわたる応用が期待されており,ナノテクノロジーを代表する物質である.さらに,CNTsの内部空間に種々の原子・分子を選択的に内包することで,CNTs自体の電気特性が局所的に変化することが知られている.

一方,溶液中放電は水質浄化などにおいて古くから研究が行われてきたが,近年,溶液中アーク放電法によりカーボンナノ物質の形成が報告され,溶液中放電プラズマによるナノ物質形成は多くの注目を集めている.溶液中放電は気相中放電と反応場が大きく異なるため,溶液中にのみ安定に存在するDNA,コロイド,電解質等とCNTsとの融合を実現し,新規ナノ物質創製の可能性を秘めている.DNA,コロイド,及び電解質内包CNTsの形成が実現すれば,発光素子,電子デバイス,磁気記録媒体などへの幅広い分野への応用が期待できる.

本研究では,溶液中放電・プラズマプロセスによるコロイド内包CNTsの創製を目的としており,溶液中プラズマ制御によるコロイド内包CNTsの高効率生成を課題としている.

 

2:溶液中放電により形成された鉄ナノ粒子のTEM

 
    

1:実験装置

 
 

 



                                                                                        内田 圭亮