研究内容

佐橋研究室は、金属/酸化物スピントロニクスに関する研究を行っています。

電気磁気効果に関する研究

我々は、MRAMやHDDなどの磁気記録デバイスを現在の磁界や電流での制御する方式から電界で制御する方式に変えることで省エネルギー化を達成することを目指し、Cr2O3薄膜の電気磁気効果の研究を行っています。これまで、Cr2O3の電気磁気効果はバルクの単結晶体でしか観測されてきませんでしたが、最近、我々のグループは世界で初めて、Cr2O3薄膜を用いて電気磁気効果を観測することに成功し、磁化の電界制御を達成しました。この成果はデバイス応用の実現に大いに貢献するブレイクスルーです。

電気磁気効果に関する研究

この成果の一部は(Appl. Phys. Lett. 104, 152409 (2014).)に掲載されています。

BMR効果に関する研究 (~2015.3)

BMR(Balistic Magneto-resistance)効果とは、1999年にガルシアらによって発見された新しいタイプのMR磁気抵抗効果です。磁性体を原子サイズの接点で繋ぎ、二つの磁性体の磁化方向を変化させたときに生じる巨大な抵抗変化のことを言います。BMR効果はポイントコンタクトと呼ばれる、balisticな伝導領域で生じる磁気抵抗効果であることから、その名前がつけられました。試料はマイクロメーターを用いて機械的に繋ぐ、ピエゾ素子を使用する、電着するなど、高額な装置を使用しなくても、比較的簡便な方法で作成することができるため、様々なグループによってアイデアが試され数100%から10万%という途方もなく大きな抵抗変化が室温・弱磁場で検出されるため、次世代の磁気ヘッドとして期待される要請をみたすことができる可能性を秘めた物理現象です。

しかしながら、試料の力学的な壊れやすさや、磁歪による変形による断線によってもこのような抵抗変化は容易に生じるためBMR効果の確認がなされているとは言い難い状況です。

我々のグループでは、NOL作成技術などを用いて強磁性体ナノブリッジ構造を力学的に安定な固体デバイス中に作成しBMR効果を確認するために最適な試料によってBMR効果の確認・実用化に繋がる研究を行っています。

BMR効果に関する研究

STTマイクロ波発振デバイスに関する研究 (~2015.3)

STTマイクロ波発振デバイスに関する研究
STTマイクロ波発振デバイスに関する研究
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