<起・紹介>
学部3年、バイオ・医工学コースに所属している齊藤悠一です。
さて、我らが電気情報物理工学科は年間に250名以上の学生を受け入れるだけの体制が整っており、4年次の配属に向けて迷う方も多いと思います。実際に私自身、数か月後には配属の希望を決めなければならず、どこを選ぼうか迷っている最中です。ただ、迷う間もなくテストが迫り、その先には夏休みが待っている、何とも年末のように忙しない時期ですね。
話はそれましたが、私はちょうど1年ほど前から、AD創造工学研修というプログラムを利用して、研究活動を始めました。この学科の研究室の数を考えると、研修で選択できる研究室の数はあまり多くはないものの、実際に研究室での様子を下見できる機会は貴重なものです。私は、かねてより興味があった、電気通信研究所の白井研究室を選択しました。
白井研では恵まれた環境を提供していただき、物性やスピントロニクスに関する知識を先生方や先輩方に教わりながら、手探りながらも物性機能設計に関する研究を楽しく行うことができました。1年間ほど続けた研究で、一定の成果を残すことができたこともあり、イギリスでのポスター発表の機会をいただきました。本ブログでは、私の海外での研究発表について簡単にご報告させていただきます。

<承・決意>
さて今回、私がいわば強引に国際学会への参加を計画したのは、学部生の早い時期に国際的な視点から"研究"を俯瞰する必要を感じたからでした。この1年間で、サイエンスインカレでの口頭発表や、国内での研究発表講演会などで聴講してみては、その雰囲気に圧倒されていました。
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               第6回サイエンス・インカレ口頭発表の様子

ただ逆にいえば、日本人だけが集まったカンファレンスでさえ、ここまでの迫力があるのだから、国際学会なんてきっと想像にも及ばないのだろうという考えを抱くようにもなったのです。「世界の研究をこの目で見たい」、という理由のもと、先生や事務局の方へ打診してみると、快くOKをいただくことができ、心の中で喜びの声をあげていました。
ただ、実際に参加するとなると、出発前はポスターの作製も大変だし、「学部生の知識に毛が生えた程度のものでは太刀打ちできないのではないか」という不安に襲われますし、出発までは辛いこともありました。

<転・旅立>
大学入学後、国際工学研修でスウェーデンに渡航していたこともあり、出国から入国まではあっという間でした。ただ、イギリス国内では鉄道のチケット買うのにも苦労しますし、挙句の果てに宿泊先のカギを受け取ろうとしたら宿主が家に帰ってしまっていて、公衆電話から電話するという何ともリスニング試験のような場面もあり、それなりのハプニングがありました。到着日にテロが起きたことも含めて、ポスター発表以外にも不安だらけの幕開けでした。

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               会場のヨークは歴史ある城壁に囲まれたおしゃれな街

ポスター発表では出発前の不安通り、質疑応答には苦しめられました。ただ、知識が足りる、足りない以前の問題として、英語で突きつけられる質問の内容がほとんど聞き取れませんでした。日本語で聞かれても答える自信がありませんけど。それでも、参加してしまえば相手の質問を無視するわけにもいきませんから、一生懸命答えなければなりませんし、逆に他のポスターを見て少しでも質問してみようと努力もするわけです。おそらく、相手の欲しかった答えは出せていないんでしょうけど。そういう意味で、言葉の壁を直接的に感じることができ、それを必死に乗り越えようとしたことは、たいへんな勉強になりました。
また講演の聴講では、自分の知らない知識が多々あるうえ、当然のごとく言語が日本語ではありませんから、その難しさは説明する必要はないでしょう。ただ自分に似たテーマは多少理解できましたし、講演後のランチの時間にこっそり質問しに行ったりするなど、なかなか楽しむこともできました。
 講演聴講とポスター発表を繰り返すだけの3日間でしたが、イギリスでの時間は充実しておりあっという間に終わってしまいました。今回の発表は1年間の集大成として位置付けていたこともあり、学会の終了後は名残惜しくさえ感じました。
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               白井先生の講演では私のポスターを宣伝してくださいました
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               ポスター発表の真っ最中
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               海外の博士課程学生の発表

<結・希望>
さて、学部3年は講義も少ないわけではなく、研究と授業の両立は簡単なものではないと思います。この学年で国際学会発表の経験ができる学生は、そう多くはいないでしょう。ただ、私が皆さんに伝えたいのは、今回の国際学会参加のチャンスは、当学科に在籍する学生であれば誰でもつかむことができるということです。唯一の要件は、それなりに研究に励むこと、ただそれだけです。留学に行くのが当たり前の時代となり、様々なプログラムや奨学金がありますが、これほどに学生にとってお得で、アカデミックに特化したプログラムは他にないでしょう。私は、一人でも多く当学科の後輩が、このチャンスをつかんで欲しいと、切に願っております。
最後に、今回の参加に際して書類の作成をお手伝いいただいたstep-QI事務局の方々、ならびに手厚い指導をしていただいた上に今回のシンポジウムの参加を許可していただいた白井先生、辻川先生、そして研究生活を支えてくださった研究室の先輩である金村さんにはたいへんお世話になりました。この場を借りて、心より感謝と御礼を申し上げます。

こんにちは,篠原・吉仲研究室 修士1年の五十嵐祐貴です.私は大学1年生から4年間,Step-QIスクールに参加していました.今回は,その4年間を簡単に振り返った記事を書きたいと思います.

 私がStep-QIスクールに参加したきっかけは,(おそらくですが)水曜日の5限目に開講された特別講義での説明会でした.入学当初,大学では情報科学についてあらゆることを知りたいと意気込んでいた私にとって,半年の間だけ研究室へと通うことのできる,Step-QIのアドバンス創造工学研修などは,とても魅力的に思えました.しかし実際にプログラムが始まってみると,1年次では英語の授業をただ受講するだけの日々.「本当にこのプログラムを取って良かったのだろうか」と疑いつつ,当時は,外国人の先生や一緒に受講している仲間との交流を目的に,毎週の授業に出席していました.
 大学2年生の後期になり,いよいよ最初のアドバンス創造工学研修が始まりました.様々な研究室が興味深いテーマで研修を開講し,その中で私は何をしたいのかという点で,当時の私はひどく悩みました.「そもそも私は具体的に何の分野に興味があって」「興味のある分野ではどのような研究が行われているのか」という点について,研究室のウェブサイトや関連記事を調べながら,真面目に向き合えたのではないかなと考えています.今となっては,早い段階で自分の興味関心を知り,情報科学の世界に向き合うことのできた,非常に良い経験であったと思います.
悩んだ末,2年次では音声処理の研究を行っている,伊藤・能勢研究室を,3年次では自然言語処理の研究を行っている,乾・岡崎研究室を志望しました.先生方,研究室の皆様のご指導のおかげで,2年次・3年次を通して,多くの貴重な経験をすることができました.幸運にも,2年次で口頭発表したサイエンス・インカレでは,サイエンス・インカレ・コンソーシアム奨励賞を受賞しました.何らかの形で外部の方に認めていただけたという経験は,今後の研究に対するモチベーションに大きくつながりました.
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さらに,アドバンス創造工学研修を受講した2年間は,1年次で受講した英語授業の価値を大きく実感できた年でもありました.3年次に,アメリカにあるサンディエゴという都市で開催されたワークショップに実際に参加し,海外の研究者の方々に自分の研究を対面で伝えるという体験をすることができましたが,このとき,1年次の英語授業や,3年次以降に開催される英語プレゼンテーション大会での経験が大きな支えとなりました.

さて,私は現在,篠原・吉仲研究室で,(自然言語ではない)文字列に関する研究をしています.いま私が研究している分野は,今までStep-QIで経験してきた分野にも負けないくらい面白く,奥が深い(そしてピュアな)分野であると思います.
多くの人が4年生で研究室を選び,初めて研究に取り組むことでしょう.それぞれが配属された研究室で,自らが先行する研究分野の専門性を高めていくことになりますが,もし研究に違和感を覚えたとしても,それは「そういうものである」と捉えるほかありません.しかし,Step-QIのプログラムを通して,ほかの様々な研究分野に触れておくことで,今の研究分野を少し離れた視点から見つめることができます.「他の研究分野に少しでも土地勘がある」,これは非常に大きなアドバンテージであると確信しています.
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               卒業式(篠原・吉仲研究室にて)

Step-QIは単に英語能力や技術を向上させてくれるだけのプログラムではなく,早くから様々なことを体験できる,数々の研修を通して,今後の大学生活や研究生活での視野を広げてくれるプログラムです.この4年間を振り返って,Step-QIでの経験はかけがえのないものであったと実感しています.

東北大学 工学部 電気情報物理工学科
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「Step-QIスクール」は、東北大学工学部 電気情報物理工学科が運営しています。