東北大学 社会にインパクトある研究 持続可能で心豊かな社会の創造

令和CAST「社会にインパクトある研究」討論会

第6回討論会「日本のものづくりを支えるため工学教育はいかにあるべきか」
【日  時】2022年9月2日(金)13:00-16:00
【開催方法】コロナ禍のためWEB形式のみ
【場  所】
【主  催】工学研究科 先端学術融合工学研究機構(令和CAST)社会インパクト推進ユニット
【座 長 団】
  経済学研究科 秋田次郎教授
  工学研究科 フィールドデザインセンター長 本江正茂准教授
  工学研究科 久田 真教授
  農学研究科 小倉振一郎教授
  東北アジア研究センター 高倉浩樹教授
  医工学研究科 永富良一教授
  高度教養教育学生支援機構 山内保典准教授
  工学研究科 社会インパクト推進ユニット長 金井 浩教授
【ね ら い】様々な社会課題が一層深刻化する一方,それらの解決の糸口さえ見えてこない現状において,社会的共通資本としての大学の役割は一層重くなっている。東北大学「社会にインパクトある研究」が2015年に発足して数年間が経過し,各プロジェクトにおいて社会課題解決の難しさが次第に明らかになってきている。
 日本は,終戦後の貧困の段階から出発し,先進工業国が開発した技術の導入により産業を効率的に高度化し加工貿易を基軸に経済成長を達成した。しかし1980~90年頃日本がcatch upした段階に,新興国の発展・グローバル化・情報革命が次々と起き,世界では「新技術によってのみ経済成長が達成される状況」に変化し,今世紀以降,日本では国を挙げてイノベーション創出を目指している。日本は,資源や食料の輸入を続けるには(原料,燃料,食料で約30兆円),相当の外貨を稼ぐ宿命にある。本研究科 故岡本行夫 特任教授がトップリーダ特別講義で「日常を変えてしまう程の“新しい基本概念”(鉄砲,蒸気機関,自動車,電球,電話,飛行機,ロケット,潜水艦,DNA二重螺旋構造,液晶,コンピュータ,…)は,みな欧米から出ている。日本が国際的一流国になったと考えるのは大きな錯覚」と指摘されたように,いかなる製品を市場に出せば「新しい価値」を創出できるかの発想には,明治期以降,大学で行われてきた専門科目の修得だけでは不足しているのかもしれない。一方,古代ギリシア以来,「人がそれぞれ本来持っている固有の能力を最大限に発揮することに“幸福”がある」と指摘されている。したがって,学生に秘められた“個々の能力”を最大限に活かすための教育と,それらを活かして新しい価値を創出し社会に貢献するイノベーションの姿が望ましいと言える。そのため第6回討論会では,第5回討論会に引き続いて教育を主眼とし,「日本のものづくりを支えるため工学教育はいかにあるべきか」をテーマに設定し討論を行う。
【申込方法】以下でご登録下さい(東北大アカウントから)。(締切:8月31日(水)17:00)
     Google Form
     問合せ先:工学研究科 研究推進課研究推進係 担当:千葉
          E-mail:eng-ken@grp.tohoku.ac.jp
【次  第】
全体説明………社会インパクト推進ユニット ユニット長 金井 浩
討論提供………各討論者は10-20分間程度発表,残り1時間程度は自由討論
1.ものづくり日本の復活のため大学ができること … 佐々木保正 研究企画室 客員教授,森谷祐一 インターナショナルオフィス教授
日本は奇跡的な戦後復興を果たしたが,1990年以降,欧米にcatch upし先頭を進まなければいけなくなった段階から,それ以上の発展ができなくなった。その原因の本質を探り,さらに大学ができることを提案する。
2.テクノロジーに意味を与え価値を創造するデザインとその教育 … 本江正茂 フィールドデザインセンター長
工学教育院科目「デザインとエンジニアリング」 せんだいスクールオブデザインからフィールドデザインセンターへ続くデザインスタジオなどを紹介しつつ,デザインの意味論的展開,人間中心デザインとそれへの批判,ユーザ参加のデザインとファシリテーションについて,など。
3.討論 ………