当研究室では、スイッチトリラクタンスモータ(SRM)の高性能化を目指した研究を行っています。ここでは、解析・設計手法に関する研究を紹介します。 | |
1.スイッチトリラクタンスモータ(SRM)について | |
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左図はスイッチトリラクタンスモータ(SRM)の外観です。写真のなかで、左側にあるのがSRMの固定子、右側にあるのが回転子です。固定子極には回転磁界をつくるための巻線が巻いてあります。SRMは写真の通り構造が簡単で、永久磁石も使用しないことから、高速回転が可能、高温環境下での使用が可能、安価といった特長があります。この特長を生かして、当研究室ではSRMを用いた電気自動車に関する研究も行っています。 SRMの励磁の切り換えは、固定子極と回転子極の位置に応じて行われます。左のアニメーションは、固定子が8極、回転子が6極のSRMです。この8極6極SRMは、向かい合った固定子極の巻線を直列に結線して1相分としています。よって、4相励磁ということになります。 固定子極と回転子極がある程度近い位置にあるときに、その固定子極の相を励磁してやると、回転子極が固定子極にひきつけられる方向にトルクが発生します。そして、固定子極と回転子極が完全に対向する直前で次の相に励磁を切り換えてやると、次の相に別な回転子極がひきつけられ、連続的に回転させることができます。 |
2. SRM解析の方法 | |
右図はSRMの駆動回路の概略図です。前述のように、SRMは回転原理が簡単であるため、駆動回路も比較的単純な回路で構成することができます。 本研究ではSRMのダイナミックなシミュレーションを行うために、汎用の回路シミュレータであるSPICEを使用しています。SRMの駆動回路は電気回路ですが、モータ本体は磁気回路で表されるので、回路シミュレータを用いてSRMの解析を行うためには工夫が必要です。 本手法では磁化曲線をモータの基本特性としています。磁化曲線とは、横軸に起磁力Ni 、縦軸にある巻線に鎖交する磁束φをとったグラフのことです。この磁化曲線は、有限要素法に基づく磁場解析により算出することができます。 シミュレーションでは、磁束φ、巻線電流i 、回転子位置をもとにモータトルクを計算しています。 |
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3. シミュレーション結果 | |
下図は提案手法によるシミュレーションの結果です。 左側のグラフは1相分の巻線電圧波形、電流波形と回転速度の変化です。回転数が徐々に上昇しているのが分かります。 右側のグラフは負荷トルクと電圧を変化させたときの回転数の変化(トルク−速度特性)を表しています。シミュレーション結果が良好な結果を示していることが分かります。 |
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