金子研究室 KANEKO Lab.

私たち金子研究室では、プラズマ科学を基盤としつつ、液体と接するプラズマの特性解明とその応用に関する研究を展開しています。特に、大気圧環境下におけるプラズマと液体の界面で生じる高速かつ非平衡な物理・化学現象の計測・解析に注力しており、1秒以下の時空間分解能で気液界面の動的挙動を可視化する独自の技術を開発しています。

こうした基礎研究を通じて得られた知見は、医療・農業・材料といった多様な分野への応用にもつながっています。たとえば、空気と水のみを原料としたプラズマによって、細菌やウイルスの不活化に有効な活性酸素・窒素種を生成し、安全性と効果を両立する新しい滅菌技術の開発に取り組んでいます。また、ガス状の窒素化合物を用いた次世代窒素肥料の合成や、プラズマを用いたナノ材料合成など、持続可能な社会を見据えた応用研究も進行中です。

本研究室の大きな特徴は、異分野融合型の研究体制にあります。電気・情報系の専門知識を基盤としつつ、農学・医学・化学・材料など幅広い分野の研究者と連携し、学内外の共同研究を多数展開しています。東北大学内の他研究科との協力はもちろんのこと、複数の民間企業との産学連携にも積極的に取り組んでおり、基礎から応用まで一貫した研究開発を志向しています。

金子研究室は、学術的な探究と社会的な価値創出の両立を目指し、柔軟かつ挑戦的な研究を推進しています。異分野連携に関心をお持ちの研究者の方、あるいは学際的なテーマに取り組みたい大学院生の皆様を歓迎いたします。ともに、新たな知の創造と社会への貢献を目指しましょう。

研究概要

フォーカス Focus

ガンダムパビリオンで「プラズマ農業」が紹介されています

大阪関西万国博覧会のガンダムパビリオン(※1)で、「プラズマ農業」が紹介されています。これは、ガンダムが使っているビーム・サーベルから派生し、プラズマ技術を農業に使おうというもので、将来の月面農場や宇宙農場での利用を目指していることを紹介しています。

ナルックス株式会社と新しい空気浄化システムを共同開発しています

ナルックス株式会社の持つ微細加工技術と我々のプラズマ技術を組み合わせて、新しい空気浄化システムの共同開発を行っています。空気と水と電気のみを用いて、プラズマの力を使って空間をクリーンにする、人や環境に負荷の少ない技術です。

ガス状活性種の制御

私たちの身のまわりにある「空気(N2, O2)」と「水(H2O)」から、「プラズマ」を使って、水素・窒素・酸素から成る分子HxNyOzを作り出すことができます。これらの分子は、非常に反応しやすいため「活性種」と呼ばれます。

液相活性種(プラズマ―液体界面)の制御

これまで、プラズマは主に真空の中でしか作れませんでしたが、最近では空気中でも安定して発生させられるようになり、水のような液体にも直接照射できるようになりました。これにより、医療や農業など、多くの新しい分野での応用が期待されています。

新着情報 News

2025.07.29
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