STEP QI SCHOOL BLOG アドバンス創造工学研修インタビュー(北村・高嶋研究室 学部2年K.I.さん)

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K.I.さん(通信工学コース  学部2年)
▼研修先     北村・高嶋研究室
▼研修テーマ 『インタラクティブコンテンツの設計・試作と評価』
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○PA080023.JPG学部2年 Iさん

_今回のアドバンス研究テーマを希望した理由は?
1年生の時からIVRC(国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト)に興味があり、そこに参加している北村研究室にアドバンスで参加できたら・・・と思って第一志望にしました。2018年はバーチャルリアリティ(以下VR※1)元年といわれ、VRの盛り上がりもあり、原理的なことよりももっと消費者よりのコンテンツを作ることに当時は興味がありました。単純に面白そうで近未来感があり、今までにない画期的な技術だと思っていたからです。
※1VR:「Virtual Reality」の略で「人工現実感」や「仮想現実」。VRを通して得られる体験があたかも現実であるかのように感じられること。
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一緒に北村研に配属された学部2年Sさんと共に

_IVRC(国際学生対抗バーチャルリアリティコンテスト)参加への経緯や事前準備について
とりとめてこういう研究をしたいというのはなかったんですが、研究テーマを決めるミーティングで、9月のバーチャルリアリティ学会併催のIVRCに「蠢刺青(しゅんしせい)」と「Tabletop ARrietty」の2作品がチームで出場することを聞きました。僕はラバーハンド錯覚を利用し映像とのインタラクションを目指した作品である「蠢刺青」に一緒に参加させてもらうことになり、デバイスの製作と制御に携わることが決まりました。僕自身はサークルやNPOでものづくりの経験があり、デバイスを作ったり、軽いマイコンプログラミングの制御とかできたので、ちょうど人手が足りなかったその分野を担当することになりました。8月中旬から下旬にかけて研究室に少しずつ通い始め、デバイスに用いるセンサーの選定や動作確認、触覚提示機構の試作などを行いました。9月に入ってからは開発が佳境に入り、毎日ほぼ一日中通い、出発直前の2日間はラボに泊まり込みで作業を進め、ひとまず担当であったデバイスを完成させました。東大で開催されたバーチャルリアリティ学会では1日目は聴講、ポスター発表を行い、2日目はIVRCの前日設営で、デバイスの設営と最終動作確認、オペレーションの確認と練習を行い本番に備えました。
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ポスター発表の様子

特にIVRC直前にラボに泊まり込みで、チームで一丸となって開発する経験が楽しかったです。ラボの人達は学部生と比べるとずっと技量と熱意がすごくて、本当にやりたくて集まってるので、学びも沢山あり刺激になりました。学部生のうちにそういう環境で大人数で開発する経験はなかなかないので貴重な経験でした。

▼学会ポスター発表はこちら
▼作品動画はこちら

_参加作品「蠢刺青(しゅんしせい)」のコンセプトや内容について教えてください。
僕が配属された時は既にテーマ決まっていたのですが、「生きているように動き出し皮膚感覚も伴う蛇のタトゥーを作りたい」という所から始まったと聞いています。その実現のためにラバーハンド錯覚を利用した刺青のプロジェクションマッピング(視覚)と触覚提示システムを実装しました。ラバーハンド錯覚とは、ユーザ自身の手とゴム製の手のモデルを並べ、間に仕切りを置きユーザにはゴム製の手しか見えないようにした環境下で、両方の手に同じ視覚・触覚刺激を同時に与えると、ユーザはゴム製のモデルを自分の手であるかのように錯覚する現象です。このラバーハンド錯覚を用いて、ユーザにゴムの手を自身の手であると錯覚させた状態で、ゴム製の手に刺青をプロジェクションし、本物の腕には触覚情報を提示します。これによって、刺青投影と触覚提示を同時に行うことができます。
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IVRCにて来場者に蠢刺青を体験してもらっている様子

_来場された方の反応はどうでしたか?
プロジェクションマッピングで蛇を出し、見た目のインパクトがあったので一般来場者受けは良かったと思います。ただ、この作品の肝はラバーハンド錯覚にかかっていることですが、デバイス自体が大きくてリアルハンドとラバーハンドの位置が遠く、多数の来場者のため錯覚の学習フェーズに十分時間をとれない面もあり、錯覚に陥る人と陥らない人が出てしまった点が反省点です。審査は再審査となり、ぎりぎりの所で競り負けて決勝に進めなかったので、悔しかったです。もう一つの作品「Tabletop ARrietty」は決勝に進んだため、11月中旬の決勝大会は僕自身も開発やオペレーションを手伝うことを条件に連れて行ってもらえることになりました。

_学会参加は初めてだったと思いますが、いかがでしたか?
感じたことは2点あります。1つ目は、基礎的な勉強の重要性です。
学会の聴講を通して、大学の勉強がどのように役に立つのか実感できました。ポスター発表を見に行くと1年生で習う数式や力学等が使われていて、研究を進める上では基礎知識がベースになっていることが分かり、大事なんだな、勉強しないとなーと(笑)普通はそういう勉強の必要性を感じる場面がほとんどないので、Step-QIでそういう機会をもらって、つながりが活きてくるんだと分かったのは良かったです。
2つ目は、実装力※2の重要性です。
今回のコンテストでは特に体験の完成度の高さが評価に大きく関わっていて、高い評価を得た作品のほとんどが作品の発想や新規性というよりは高い実装力による高い再現性により評価を得ていた印象がありました。それに対して「蠢刺青」は、新規性や着想に関しては良かったが、難しいことをやっているとはいえ、要となる触覚提示機構と映像の両方において、クオリティが高いといえるものではなかったと思います。強いチームは、完全な自作でやってて、目的に最適なものを自分たちで作ることが出来てました。そのため作品のリアリティやハプティクスの再現度のクオリティが上がり、VRで重要な没入感を高いレベルで作り出すことが出来るんです。エンジニアとしての技量の差が出てくる所だとすごい感じて、完全に実装力で負けていたなと。エンジニアとしては、圧倒的な実装力が大事なんだと感じました。
※2実装力=装置や機器の構成要素となるものをすぐにも使えるように組み込むこと。理念的段階にとどまる何らかの機能を、具現化させる力。
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_アドバンスの配属前と配属後でイメージの違いはありますか?
僕はばりばりIVRCをやりたくて来たので、実際入ってみてものづくりの中で実力を発揮してちゃんと立ち位置を築けるのか、メンバーとしてやっていけるのか、いう部分は不安でした。ちょうど僕が出来るところがあったので、運も良かったし、Win-Winだったかなと(笑)雰囲気の点でいうと、研究室は固いイメージがあって、遠い存在だったので緊張してましたが、実際はリラックスした雰囲気で、みんな仲もいいし一体感もあったので、入っていきやすかったです。皆さん技術も熱量もあって、学部生のうちはそういう団体に入るチャンスもなかなかないので、楽しかったし良かったです。特に北村研は自由でのびのびした雰囲気で、今回の大会にも先輩方が自主的に参加を決めたようです。北村先生は基本的に挑戦することはウェルカムなので、「学会やコンテストに行きたいなら行っていいよ」と言って下さると聞いています。

_TAや研究室メンバーの先輩方との関係は?
TAのIさんとは結構仲良くさせてもらっていて、兄のように頼れて尊敬できる先輩です。ただ、IVRCでの参加チームは違ったので、作品を作るときは同じ「蠢刺青」チームの先輩方6人とコミュニケーションを取りながら一緒に作業していました。4年生の先輩にモデリングや相談に乗ってもらったりしますが、基本的には自分の分担は自分でしていたという感じでした。
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研究室での様子

_アドバンスの残り半年間、どんな風に頑張っていきたいですか?
残念ながら「蠢刺青」は決勝には進めなかったけれど、試みとしては新手法としての提案でした。作品の段階ではなく、研究まで昇華させることが出来たらと思っています。そのため、来年3月6日から8日に開催される日本情報処理学会インタラクションのデモ発表を目指しています。この作品は映像、触角提示、デバイスのクオリティ向上など、色んな要素が含まれていて、幅広い知識や技術を要求される良い作品だと思います。作品の完成度を高めようと努力していくうちに僕自身の技量もあがっていくと思うので、作品と一緒に成長していきたいです。

_最後に、Iさんにとってアドバンスの魅力って何でしょうか?
Step-QIでは早い段階から専門の世界との接点を持ちながら、1,2年生の時期を過ごすことが出来るので、勉強する時の視点も変わってきます。辛かった受験で死ぬほど頑張って勉強して合格して、みんなモチベーション高い1年生の時期に専門が遠くてイメージができなくてモチベーションが落ちていくというのは大学教育の問題だと感じています。その微妙な時期をつないでくれて、専門的な世界との接点が得られる機会を与えてくれることが素晴らしいです。目的意識がある方がやる気が出るので、その点が一番の魅力だと思います。
○PA080065.JPG 
TAのIさんと共に

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Iさん、TA担当Iさん、貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!
▼もっと詳しい記事が読みたい方はこちら(全文掲載)からどうぞ♪(TAからのメッセージも掲載しています)

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