光音響イメージング

毛細血管網・赤血球の選択的・機能的イメージング技術

組織にナノ秒パルスのレーザーを照射することで、瞬間的に組織が熱膨張を起こし超音波を発生します。この現象を「光音響効果」といい、発生した超音波を超音波センサで捉え画像化する技術を「光音響イメージング」と呼びます。光音響効果は,対象物の吸光度に依存するため、例えば血液が良く吸収する波長のレーザー光を用いることで、組織中から血管だけをイメージングする事ができます。 当研究室では、様々な光音響イメージングシステムを独自に開発しており、毛細血管網から赤血球単体まで、様々なスケールの画像化に成功しています。また、複数のレーザー光を用いる事により血管網の酸素飽和度分布を可視化するなど、機能的なイメージングにも取り組んでいます。

光音響効果

組織にナノ秒パルスのレーザーを照射することで、瞬間的に組織が熱膨張を起こし超音波を発生します。光音響イメージングは、この光音響効果を利用したイメージング方法です。 通常、生体組織診断を行う際に、超音波よりも光の空間分解能が高いですが、光は組織に2mm程度までしか透過しないので、深達度が問題になります。光音響イメージングでは、行きはレーザー光を用いるために非常に小さなフォーカスが可能であり、帰りは超音波が戻ってくるので組織内での減衰が小さくて済みます。結果的に、空間分解能が通常の超音波の2倍、深達度が通常のレーザー光の2倍のイメージングが可能になります。また、酸化ヘモグロビンや還元ヘモグロビンのスペクトルの違いを応用することで、血流情報だけではなく組織の機能解析を行うことが可能です。