斎藤研究室

  東北大学 大学院工学研究科   

  電気エネルギーシステム専攻 電力ネットワークシステム分野  

Saitoh Laboratory / Department of Electrical Engineering Graduate School of Engineering Tohoku University

研究活動


電力システムとは

 私たちの研究室では、「電力システム」の制御、運用、計画について色々な問題を解決するための方法を研究しています。研究の内容をご紹介する前に、「電力システム」とは何かを簡単に説明しましょう。

 皆さんの家の壁に100Vのコンセントが付いているのを想い出してみて下さい。そのコンセントに色々な電気機器のプラグを差し込むと、何時でも電気エネルギー(電力)がその機器に供給され、正常に動作させます。日本全国、どこの家でも、「コンセントに電気機器をつなぐだけで電力が供給される」という当たり前のようなことを実現しているのが、「電力システム」です。そして、この電力システムは、水道の蛇口をひねるだけで水を得られる水道システムと同様に、現代の社会を支えるインフラなのです。

 電力システムは、多数の発電機、送電線、変圧器、配電線などの電気機械と電気回路によって造られており、国中のあらゆる建物や工場、家々に電力を送り届ける巨大な電気機械システムです。この巨大な電気機械システムを雷、台風、地震などの自然の脅威から守り、かつ停電が生じないように発電機や送電線、変圧器などの設備の状態を計測データを用いて監視し、それらの設備が正常に動作するように各部の電圧や電流を制御する監視制御システムが備えられています。そしてこの監視制御システムは多数のコンピュータと通信ネットワークおよび情報処理ソフトウェアから構成されています。

 以上の通り 「電力システム」とは、社会を支えるインフラであり、そして電気機械システムとコンピュータに基づく監視制御システムが一体となったシステム なのです。


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