研究内容のご紹介


リンパ節転移の早期診断・治療法に関する非臨床試験

担当教員:教授 小玉哲也 / 講師 森士朗(腫瘍医工学分野)


浸潤性で転移性を示す「がん」は、浸潤-転移という連鎖を繰返ことが知られています.本分野では、この連鎖の初期段階にあるリンパ節転移の診断法と治療法の開発に関する非臨床試験を実施しております.主な研究テーマは以下の通りです。

1) リンパ節転移の機序に関する研究
2) ナノ粒子を用いたリンパ節転移薬剤送達システムに関する研究
3) 画像解析を用いたリンパ節転移診断法に関する研究

体に優しい集束超音波治療

担当教員:准教授 吉澤晋(超音波ナノ医工学分野)


マイクロ気泡には超音波治療の効果を顕著に高める働きがありますが、これを超高強度の短い集束超音波パルス照射により発生させる方法や、腫瘍集積性をもつナノ液滴を超音波刺激により相転移させて発生させる方法を開発しています。発生させたマイクロ気泡により、治療の選択性と治療体積/治療時間を抜本的に高めることを目標としています。さらに、このような集束超音波治療を高速超音波イメージングにより照準・監視することも研究しています。

がん磁気ハイパーサーミア治療装置の研究開発

担当教員:教授 薮上信 / 助教:トンタットロイ(がん磁気ハイパーサーミア医工学分野)


近年,磁性微粒子を癌部位に集積させ,体外から高周波磁場を印加することで,癌部位を局所的に加熱する磁気ハイパーサーミア(磁気温熱療法とも呼ばれる)が次世代の癌治療法として国内外で注目されている。本研究では,磁気温熱療法の核心的な要素技術を研究開発し,臨床応用に向けてこれらを総括した「磁気ハイパーサーミア治療装置」を構築しており,主な研究テーマは以下の通りです。

1) 磁性微粒子の非侵襲的位置検知技術,温度検知技術,定温加熱技術に関する研究開発
2) 磁気ハイパーサーミアおよびその他のバイオアプリケーションのための多機能磁性マイクロ・ナノ粒子に関する研究開発


左図:(a)本研究で開発した磁気温熱治療装置と動物実験評価での写真。(b)磁性ナノ粒子(MRI用肝臓造影剤リゾビストR注)をマウス内に注射し,誘導加熱で治療温度(43~46℃)まで上昇することが確認された。