沿革
沿革
電気・情報系「活躍の軌跡」
本系は世界の先進技術に貢献する独創的研究の中心として、輝かしい伝統を継承しています。また、既存の分野にとらわれない開発精神も受け継がれており、現在では、バイオ・ナノエレクトロニクス、ロボティクス、情報セキュリティ、宇宙・環境にまで、その教育研究分野を広げています。このような先進的な環境の中から、ノーベル賞受賞者の田中耕一さんをはじめ、多くの優秀な人材を社会に送り出し続けています。
1925
八木・宇田アンテナ
八木秀次博士と宇田新太郎博士は、1925年に構造が簡単で性能の良い指向性アンテナを発明しました。現在、世界中の家庭でテレビ放送の受信アンテナとして最も広く用いられています。
1928
分割陽極マグネトロン
岡部金次郎博士は、1928年に波長が長く強い電波を発見することができる真空管(分割陽極マグネトロン)を発明しました。電子レンジには、この発明を改良したマグネトロンが使われています。
1950
電子管・半導体
渡邉寧博士の指導の下で、1950年ころから電子管や半導体が本格的に研究されました。この中で、ブラウン管や、半導体集積回路の技術の基礎が築かれました。
光通信の3要素
西澤潤一博士は、フォトダイオード、半導体レーザ、光ファイバの光通信の三要素を発明しました。光通信は携帯電話とともに、現在の情報通信ネットワークに不可欠なものとなっています。
垂直磁気記録(ハードディスク)
岩崎俊一博士は、合金粉末型塗布テープと垂直磁気記録方式を1958年と1977年に発明しました。前者はメタルテープとして、後者はハードディスクの最新方式として、世界中で広く用いられています。
1980
2002
ソフトレーザー脱離イオン化法
(ノーベル化学賞受賞)
田中耕一さん(卒業生)
生体高分子の質量分析を可能とした「ソフトレーザー脱離イオン化法」の開発を高く評価され、2002年に日本人で12番目のノーベル賞受賞者(化学賞)となりました。
※(株)島津製作所における業績です。
2002
西澤メダル創設
西澤潤一博士の顕著な業績を称え、IEEE※は、発明王エジソンや電話を発明したベルなどに続いて個人名を冠した賞(西澤メダル)を創設しました。
(※米国を拠点とする世界最大の電気・電子学会)
2010
日本国際賞を受賞(岩崎俊一博士)
岩崎俊一博士は、全世界のハードディスクに広く使われている垂直磁気記録の独創的発明とその実用化の飛躍的成果を高く評価され、日本が人類の平和と繁栄に著しく貢献した世界の科学技術者に贈る賞を受賞しました。
2013
文化勲章を受賞(岩崎俊一博士)
岩崎俊一博士は、磁気テープや磁気ディスクの大容量化に関して、高性能金属微粉末テープ(メタルテープ)を発明したほか、磁気記録理論の確立とともに世界で初めて垂直磁気記録方式を実現しました。これらの貢献に対して、文化勲章が贈られました。
2010
文化功労者に選出(舛岡富士雄博士)
舛岡富士雄博士は、半導体工学・電子産業技術分野の貢献に対して、平成25年度文化功労者として顕彰されました。同博士は磁気テープや磁気ハードディスクに続く新しい記憶媒体として「フラッシュメモリ」という革新的なメモリを開発しました。フラッシュメモリはその後、大きな発展を遂げ、今では、携帯電話、デジタルカメラ、メモリカード等、大容量記録媒体として社会に不可欠なものとなっています。
文化勲章・文化功労者、
学士院賞、国際的大賞等
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宇田 新太郎 | 東北帝国大学工学部電気工学科卒業 1924 東北大学教授 1936-1960 学士院賞 S7 超短波長電波の研究 |
岡部 金治郎 | 東北帝国大学工学部電気工学科卒業 1922 学士院賞 S16 磁電管に関する研究 文化勲章 S19 文化功労者 S26 分割陽極マグネトロンの発見等の極超短波に関する研究 |
八木 秀次 | 東北帝国大学工学部電気工学科教授 1919-1936 文化勲章 S31 文化功労者 S31 八木アンテナ発明等の電気工学研究 |
渡辺 寧 | 東北帝国大学工学部電気工学科、電気通信研究所教授 1929-1960 文化功労者 S45 二重帰還増幅器・仙台放電管等の電磁機器発明・電子工学の先駆的研究 |
西澤 潤一 | 東北大学工学部電気工学科卒業 1948 電気通信研究所教授 1962-1990 学士院賞 S49 半導体及びトランジスタに関する研究 文化勲章 H1 文化功労者 S58 本田賞 1986 トランジスタ、半導体、ダイオードおよび光通信三大要素に関する研究 |
岩崎 俊一 | 東北大学工学部通信工学科卒業 1949 電気通信研究所教授 1964-1989 学士院賞 S62 高密度磁気記録の研究 文化勲章 H25 文化功労者 S62 日本国際賞 2010 高密度磁気記録等の電子工学研究 |
田中 耕一 | 東北大学工学部電気工学科卒業 1983 文化勲章 H14 文化功労者 H14 ノーベル賞 2002 生体高分子の同定および構造解析のための手法の開発 |
大野 英男 | 東北大学工学部教授 1994、電気通信研究所教授 1995-2018 学士院賞 H17 半導体ナノ構造による電子の量子制御と強磁性の研究 |
舛岡 富士雄 | 東北大学大学院工学研究科博士課程(電子工学)修了 1971 電気通信研究所教授 1996-2007 文化功労者 H25 フラッシュメモリの発明 |
中沢 正隆 | 電気通信研究所教授 2001-2018 学士院賞 H25 エルビウム光ファイバ増幅器の実現とそれを用いた光通信の高度化に関する貢献 |
内田 龍男 | 東北大学大学院工学研究科博士課程(電子工学)修了 1975 東北大学工学部教授 1989-2010 学士院賞 R3 液晶の物性解明と高性能液晶ディスプレイの研究 |
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学長経験者等
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松前 重義 | 東海大学 創立者 |
木村 瑞雄 | 東北工業大学学長 |
菊地 喜充 | 東北工業大学学長 |
虫明 康人 | 東北工業大学学長 |
村上 孝一 | 八戸工業大学学長 |
西澤 潤一 | 東北大学総長、岩手県立大学学長、首都大学東京学長 |
岩崎 俊一 | 東北工業大学学長・理事長 |
野口 正一 | 会津大学学長 |
沢田 康次 | 東北工業大学学長 |
中村 慶久 | 岩手県立大学学長 |
星宮 望 | 東北学院大学学長、東北学院院長 |
宮城 光信 | 仙台電波工業高等専門学校、宮城工業高等専門学校、仙台高等専門学校 校長 東北工業大学学長、宮城学院理事長 |
内田 龍男 | 仙台高等専門学校校長 |
潮田 資勝 | 北陸先端科学技術大学院大学学長、(独)物質・材料研究機構理事長 |
大野 英男 | 東北大学総長 |
末光 眞希 | 宮城学院女子大学学長 |
川又 政征 | 東北職業能力開発大学校校長 |
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企業関連の著名人リスト
(五十音順)
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今井 眞一 | 電子工学専攻 | 2008-2014 東芝メモリシステムズ株式会社 社長 |
小野寺 正 | 電気工学科卒 | 2001-2005 KDDI株式会社 代表取締役社長 2005-2010 KDDI株式会社 代表取締役社長兼会長 2010-1018 KDDI株式会社 会長 |
倉林 定助 | 電子工学専攻修了 | 2002-2012 キヤノンアイテック株式会社 代表取締役社長 |
小池 淳義 | 電子工学専攻修了 | 2006- ウエスタンデジタルジャパン プレジデント |
佐々木 隆 | 電子工学専攻修了 | 2020- Innovation Core SEI, Inc. President & CEO |
菅原 英宗 | 電気及通信工学専攻修了 | 2020- NTT コミュニケーションズ株式会社 代表取締役副社長 |
髙野 利男 | 通信工学科卒 | 2018-2020 日信ソフトエンジニアリング株式会社 代表取締役社長 2020- 日信電子サービス株式会社 代表取締役社長 |
髙橋 啓 | 電気工学科卒 | 1981-2006 中央電子株式会社 代表取締役社長 |
袴田 薫生 | 通信工学科卒 | 2003-2005 東芝ライテック株式会社 社長 |
山森 一毅 | 電気及通信工学専攻修了 | 2012-2014 NREG 東芝不動産株式会社 社長 |
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2020/12 東北大学電気・情報系未来戦略懇談会調べ